増田貴久「Remedy」を読み解く
Remedy
作詞:Ryohei Yamamoto 作曲:Ryohei Yamamoto
僕の中に薬が行き渡る*1
一口で支配する 君は甘い ウイルス*2
痛いほど 癒しを与えて 僕の治療薬*3
僕は病気だけど具合が悪いわけじゃない*4 月灯り着る
君の 有り得ないくらいの美しさ*5 に毒されて 僕は悩殺された*6
派手な口づけ ひと目釘付け
体を巡り記憶に寄生
*
僕の中に薬が行き渡る*7
一口で支配する 君は甘い ウイルス*8
痛いほど 癒しを与えて 僕の治療薬*9
胸に渦巻く この想いつかみ出せば
病名は “I LOVE YOU” 心地よい媚薬
Remedy
*
ねぇ聞いて*10, これは愛の病*11,
僕に薬を頂戴*12,
だって君が僕をぞくぞくさせてるんだよ*13 その瞳に息切れる
この病に踊れば 君にのぼせながら
アドレナリン*14 がみなぎる
毒みたいなものがこの恋愛依存症と魔力を治してくれる*15
猛毒に中毒 もう… ドクドク…
君のことばっかり考えちゃうよ*16
さぁ行こう*17, ほら忘れて何もかも見捨てて*18 おいていこうぜ
次の段階*19 へ 偽物の笑顔は*20 脱ぎ捨て
本当の君を知って、君の中の精力を感じて*21
真実*22だけ映したまま 君と僕で*23
(*繰り返し)
AH, POISONOUS
猛毒なら 何で僕は生きてるって感じてるの?*24
AH, DANGEROUS
危険なほど いま君を奪いたい
Uh Hu Ah Ha
Remedy
Fly in me Remedy
一口で支配する 君は甘い Virus
痛いほど 癒しを与えて Remedy
Flyは飛び回る、広まるという意味があることから自分の中に治療薬が広まるつまり行き渡ると訳しました。まずここで分かること。僕の中に行き渡るのは薬なのに君(甘いウイルス)に支配されていく。そして彼が求めるのは癒しを与えてくれる治療薬(Remedy)。
I'm sick but I'm not ILL 月灯り着る
君の vision に毒されて I'm KILLED
派手な口づけ ひと目釘付け
体を巡り記憶に寄生
本来sickという言葉の中には当たり前のように吐き気等の体調が悪いという意味を含んでいるのですが、ここでは「but」を使い「ill」が持ち込まれているので勝手に体調不良という意味を含まないと捉えてしまいます。つまり主人公は病気だと分かっているけど体調が悪い訳ではない、心の病≒恋の病としていることが分かります。
ゆったりとした歓喜が月灯りのように照らすのを感じる
のように体全体で喜び等を感じる時にも使われます。そこから月灯り着るは体全体で何かを感じていることも表しているのだと思われます。
ある生物が他の生物の体表に付着または体内に侵入し、そこから栄養をとって生活すること。
寄生(きせい)とは - コトバンク
という意味があります。つまりこの記憶は主人公の中の全てを奪っていくものなのです。さてここで思い当たることがありますね?
一口で支配する 君は甘い Virus
という歌詞。つまりこれは「一口で支配する君は、甘い Virus」甘いウイルスなのは自分の中の記憶、また派手な口づけを交わしている彼女のことなのです。ウイルスと例えられていることからそれは自分にとって少し悪い記憶であることも示します。つまり嫉妬が混ざっているということでしょう。ではこの「支配」とは何を支配しているのでしょう。口づけをした相手を支配していると考えることもできますが、私は主人公の記憶を支配したと捉えました。
Fly in me Remedy
痛いほど 癒しを与えて Remedy
胸に渦巻く この想いつかみ出せば
病名は “I LOVE YOU” 心地よい媚薬
Remedy
Now listen, LOVE SICK,
can you give me the PILLS,
cause you give me the CHILLS その瞳に息切れる
Now listenは実際に彼女に言っているのか、もしくはこの曲を聞いている人に語りかけているのか。恐らくどちらの意味も含まれているでしょう。つまり目の前に彼女がいるという状況が想像されます。また次の歌詞にあるPILLSは丸薬という意味もありますが経口避妊薬という意味も含まれています。つまりここでの薬(PILLS)は少し性的な意味としても捉えることができます。またCHILLSには寒さで震える、ぞくぞくするという意味があります。主人公のぞくぞくする感情をCHILLSという言葉で例えているのでしょう。ではぞくぞくするとはどのような意味なのでしょうか?ぞくぞくという言葉には身体的な快感や興奮という意味が含まれています。そこから、主人公は彼女の瞳にぞくぞくしている、そして息切れるという言葉でその興奮を表しているのだと考えられます。この彼女の瞳は恐らく自分のことを見ていて、その瞳が自分を興奮させているのでは?
この病に踊れば 君にのぼせながら
adrenaline がみなぎる
「この病」とはLOVE SICKのことです。踊るという単語は病にかかり、その病に踊らされているということを表しているのでしょう。またのぼせるには「頭に血がのぼってくらくらする」という意味が含まれています。つまり君の魅力にくらくらしながらアドレナリンがみなぎる(=興奮が高まる)ということを表しているのです。
What kind of TOXIC will cure this LOVEHOLIC&魔力
猛毒に中毒 もう… ドクドク…
I'm thinking of YOU
魔力、とは彼女の口づけの記憶の魔力、つまり自分の嫉妬の気持ちのことでしょう。TOXICは毒を表す言葉ですが、「中毒性」という意味も含んでいます。つまりその毒のようなものは自分の中の嫉妬や彼女に対する気持ちを癒してくれる。しかし主人公はそのTOXIC自体の中毒性にハマってしまう。そしてその中毒性から主人公はまた彼女のことを考える(ここから「彼女のことばかり考えてしまう」と意訳しました)。つまりこの毒は彼女そのものなのでしょう。
LET'S GO, forget what's left おいていこうぜ
NEXT STAGE へ FAKE smile 脱ぎ捨て
ここでのLET'S GOは主人公の彼女に対する誘いでしょう。またforget what's leftは何を指しているのか。私は序盤で出てきた彼女の口づけの相手、彼女の彼氏や旦那のことだと考えました。おいていこうぜは記憶面だと思いますが、物理的に(家に)おいていく、2人きりでどこかに行くことを強く表しているのかもしれません。NEXT STAGEは彼女と主人公の関係のことでしょう。ちなみにSTAGEは病気の段階である「~期」という意味もあることから用いられたと考えられます。またNEXT STAGEへ行くために彼女にFAKE smileを脱ぎ捨てることを指示します。でました彼女の本性をさらけ出すシリーズ!
Let's see the REAL YOU, FEEL the ENERGY in YOU
TRUE なものだけ映したまま ME&YOU
seeには「見て理解する」という意味があります。そこから知ると訳しました。またあえてこの単語が用いられていることから本当の彼女の姿は目に見える形で現れている、つまり彼女にありのままをさらけ出してと言っていると想像できます。またここでの精力はもちろん活力や元気とも捉えられますが、以前から深読みで登場している「本性さらけ出せシリーズ(主にWonder)」を見る限り性的な意味として捉えることもできそうです。(黙)
AH, POISONOUS
猛毒なら Why do I feel ALIVE
AH, DANGEROUS
危険なほど いま君を奪いたい
ここでのPOISONOUS(=毒)、DANGEROUS(=危険)は次の単語を英訳して並べている、強調していると考えたため意訳はしませんでした。
*1:Fly in me Remedy
*2:Virus
*3:Remedy
*4:I'm sick but I'm not ILL
*5:vision
*6:I'm KILLED
*7:Fly in me Remedy
*8:Virus
*9:Remedy
*10:Now listen
*11:LOVE SICK
*12:can you give me the PILLS
*13:cause you give me the CHILLS
*14:adrenaline
*15:What kind of TOXIC will cure this LOVEHOLIC&魔力
*16:I'm thinking of YOU
*17:LET'S GO
*18:forget what's left
*19:NEXT STAGE
*20:FAKE smile
*21:Let's see the REAL YOU, FEEL the ENERGY in YOU
*22:TRUE なもの
*23:ME&YOU
*24:Why do I feel ALIVE